自身のピアノ演奏を客観的に確認してみるというのは非常に重要な事です。録音して何度も聴き直して、自分の演奏の良い部分や悪い部分を全て洗いだすくらいの気持ちでいる事が必要です。少し大変かもしれませんが、それに見合った価値がある行動です。ぜひ日々のピアノ練習を録音するようにしましょう。
録音の重要性と効果
いつもピアノの演奏中に自身で耳にしている音と、他人がそれを聴いた場合の音は異なります。自身で演奏しているとピアノを弾く事に集中していますから、「自分が奏でている音」までしっかり聴くのは上級者でもかなり困難なんです。
また、曲の終盤ともなれば、曲の序盤の事などほとんど忘れているかもしれません。目立つミスであれば覚えているかもしれませんが、些細な間違いであれば、その瞬間は「しまった!」と思っても、弾き終わった時には思い出せないかもしれません。
ですがピアノの演奏を録音さえしておけば、後からどの部分でも好きに確認する事が可能ですよね。自身のピアノの演奏を録音するとしないのとでは、上手くなるための効率が大幅に変わります。ビギナーの場合は自分のピアノ演奏を聴き返すのは精神的になかなか苦しいかもしれませんが、ぜひ日々のピアノ練習に導入してみて下さい。
また、自分のピアノ演奏を何回も聴き直していると耳が鍛えられて、それまでは気付かなった些細なミスを発見する事ができますし、「この部分をもっとこう演奏したい」などの工夫もしたくなるはずです。それを意識して再び演奏して……という事を繰り返していくうちに貴方のピアノ演奏はどんどんうまくなっていくのです。
最初のうちは課題を発見する事自体が難しいと思いますが、慣れていけば徐々に「聴く能力」は上がっていきます。そして、自身の演奏と上級者の演奏を比較してみるのもお勧めです。
何に気を付けて聴くべきか
では、どのようなところに気を付けて自分のピアノ演奏を聴き返すべきなのでしょうか。主に、以下のような事に気を付けてみて下さい。
・毎回必ず間違える音はないか
・テンポがぶれていないか
・リズムは正しいか
・休符を正しく取れているか
・デクレッシェンド、クレッシェンドはおかしくないか
・スタッカート、スラー等の音楽記号は正しく再現できているか
これ以外にも注意すべき部分は色々ありますが、まずはこれらに重点を置いて聴き直してみましょう。
どれも、自分でピアノを弾いている時には判断しにくい部分です。そしてこれらを正しく、聴きやすく弾く事が可能になれば、演奏の質は格段にアップします。また、これを継続していけば、初見の曲にチャレンジした際にその曲の練習の要点や、注意点もすぐに判別できるようになるはずです。