世の中には色々な曲が存在しています。なんらかの出来事や風景を表現している曲や、穏やかな曲、活発な曲、悲しい曲、楽しい曲など、人間の感情を表現している曲も存在します。そして、その曲が表現しているムードや感情のことを「曲想」と言います。
曲想を無視してピアノを演奏しても、良い曲にはなりません。
一例として、真剣な話をしようとしているのに、ニヤニヤ笑いながら話すのはいかにも変です。「なんで笑っているんだろう」と思われてしまいますし、相手側も真剣には受け取ってくれないことでしょう。やはり、真剣な話をするのであれば、真剣な表情でいなければなりません。それと一緒で、ピアノを弾くときにも、感情を込めて弾くことが大事です。
穏やかな曲は穏やかに、活発な曲は活発に、悲しい曲は悲しく、楽しい曲は楽しく弾く必要があるということですね。
曲のムードを掴む
大抵の曲には当然題名があります。まず、その題名を元に曲のムードを掴んでいきましょう。
一例として「かけっこ」という題名なのであれば、活発な曲なのでしょう。そして「静かな夜」という題名なのであれば、それは当然穏やかな曲であるはずです。題名を元に、風景を思い浮かべたり、感情を予想してみたりすることが大事です。それで大よそのムードは掴めるはずです。
ですが、題名を見てもあまりイメージが湧かない曲も当然存在します。一例としては「ソナチネ」や「メヌエット」などでしょうか。こういう題名の曲については、実際にピアノで弾きながら、練習をしながらイメージしていきましょう。練習をしていくうちに、それなりに演奏することが可能になったら、楽譜を読みながら脳内で演奏してみて下さい。脳内でピアノを弾いてみるのです。
そして、どのパートをどのように演奏すれば、気持ち良い音楽になるのかを考えます。考えがそれなりにまとまりましたら、それを再現することを意識しながらピアノを弾いてチェックしてみます。プロのピアノ演奏者のCDなどがあるなら、それを聴いて考えるという手もあります。
とにかく、自分が演奏しようとしている曲が、悲しい曲なのか、楽しい曲なのか、活発な曲なのか、穏やかな曲なのか、などをしっかりイメージするように心掛けましょう。楽譜曲の強さやスピードが記されているのであれば、それに沿うように、曲のムードを作り上げられるようにピアノを弾いていきましょう。
また一曲単位ではなく、ピンポイントでも、その部分で表現されているのが何なのか、そしてどんなムードがあるのかを考えていくことが大事です。
ちなみに、小学校三年生くらいまでは、ご両親が共に考えてあげる必要があると思います。ピアノを弾く際は、ピアノで弾きたい曲についても思いを巡らせることが非常に大事です。