「ホンマでっか!?TV」というバラエティー番組において、出演者の澤口俊之という脳科学の先生が、次のように語られていました。
「ピアノは習い事としては最適です。指を動かす、覚える、先読みをする。脳のあらゆる動きを良くします。ピアノが弾ける子は頭が良いですし、ピアノを練習すれば癇癪を起しにくくなります。」
また、アインシュタイン・ファクターという書籍には、「絶対音感を身に付けるための鍛錬や、初見の楽譜を読む鍛錬に取り組めば、永続的にIQが10アップする」という記述があります。
ピアノを弾くということは
ピアノを弾く際には、
1:目で楽譜を見て
2:その情報を脳が整理して、身体中に命令を下して
3:指を動かしてピアノの鍵盤を叩き
4:想像通りの音が出ているか耳で確認しつつ、次の音符を目で追いかける
という4種の動作が、途切れずに瞬間的に継続されています。
これによって脳が鍛えられるので「ピアノを練習すると頭が良くなる」とされているのです。ピアノを弾く事が出来る子の脳は「ワーキングメモリー」という能力に長けており、弾く際に両手を制御するので、脳がまんべんなく活発になるそうです。また、ピアノの楽譜は基本的には全部暗記する(暗譜)ことになります。原則として、みんな暗譜した状態でピアノ発表会に臨むことになります。
ちなみに「楽譜に記載されている事を記憶する」ことだけが暗譜ではありません。それを大前提として、楽譜からのメッセージをピアノを弾く側の人間が読み取り、自分なりの物語を生み出し、それを再現することができるようになって始めて「暗譜が完了した」と言うことができます。この暗譜のトレーニングが暗記力を高めてくれますので、普段の勉強などにも大いに役立ってくれます。
やはり勉強するためには、暗記力が必要です。そして、頭の良い子達は得てして暗記力に秀でているものです。そういった子達は具体的には「可能な限り素早く記憶する秘訣」を習得しているのです。
大量の知識を丸暗記だけで覚えるのは非常に大変です。頭の良い子達は自分なりの物語を作り、それに沿って覚えているのです。
一例として、小さい頃絵本の読み聞かせなどを何回もされる中で、知らない間に、全部記憶してしまった経験がある人も少なくないと思います。これには、2個の要因があります。
1個目ですが、脳は睡眠中に記憶の整理・定着を行います。つまり、就寝前は物事を覚えやすいタイミングであると言えるのです。
2個目ですが、ストーリーになっているからこそ覚えやすいのです。物事の関連性を理解しつつ覚える事ができるので、意味を把握しないまま覚える丸暗記よりも、高効率で覚えていく事が可能です。
暗譜するトレーニングによって、物語として覚えていく技術を習得する事ができます。ですから、ピアノの練習に取り組むことによって、あらゆる勉強に役立つ高効率な記憶方法を習得することが叶うという事が言えるのです。
100名の東大生を対象にした調査によれば、小学生の頃に行っていた習い事としては、ピアノをやっていた人が群を抜いて多かったそうです(その他、そろばん、英会話などと続きます)。小さい頃に習い事としてピアノをやっていた人数が実に52名にも登り、女子の東大生に至っては、なんと24名の内20名がピアノの習い事を経験していたそうです。