ピアノの練習で意識していく3つのこと

1:程良く基礎練習に取り組む

主に「曲でない練習」の事を指して、基礎練習と言います。ピアノの場合は、ハノンで基礎練習を行っている方が大半だと思います。

「程良く」ですから、基礎練習に取り組み過ぎるのも、取り組まなさ過ぎるのも良くないという事です。特に大人になってからピアノの練習をスタートさせた場合は、時間が限られているので、すぐに曲練習に入りたくなると思いますが、この基礎練習を欠かしてはいけません。

ハノンは無機質なフレーズが多いので、取り組んでいてあまり楽しくないかもしれませんが、指の動作を均一にしていくためには、かなり有意義です。小指と薬指の動きを向上させていくためのフレーズがたくさんあるので、最初のうちはかなり難しく感じると思いますが、その分かなりの効き目があります。

ちなみに、基礎練習に掛ける時間については「全体の時間の25パーセント前後」が良いと言われています。例えば、トータルで60分ピアノを練習するのであれば、その内15分を基礎練習に使うという感じです。もちろん「どれくらいの割合にすべきか」という部分には個人差もありますから、自分なりに分析していく事もいずれ必要になってくるかもしれませんね。

ともかく、時間を定めて取り組む事で集中力も高まりますから、必ず時間を設定しておくようにしましょう。

2:初めはとにかく遅く

ハイテンポの方が素敵に聴こえますし、どんどん先に進めたいなどと考えてしまうので、心情的には、慣れない曲でも指定通りのテンポで演奏したくなると思いますが、これはかなり効率が悪いです。

実際には、意識してゆっくり弾くくらいがちょうど良いです。その方が結果的には、早くその曲の演奏をマスターできるようになりますし、曲自体の完成度も高まります。ピアノの上達を早めたいのであれば、焦ってはいけません。

具体的には「最初から最後までほぼ正しく演奏できるくらいまで」の速度で練習するようにしましょう。初見の場合は、通常演奏の2倍以上の時間が掛かると思います。この場合の「ほぼ正しく」というのは、「音を外さず、意識的に強弱を出せる」という意味です。ことに、強弱を出す事を重視しましょう。最初から重視しておけば、速く弾けるようになってから曲の表現が非常にしやすくなります。

「ほぼ正しく」演奏する事が可能になったら、段々とテンポをアップさせていきます。一例として、5~10程度ずつなどです。いきなり30などとアップさせるのはNGです。5~10くらいずつアップさせて、徐々に指定通りの速度を目指していくのです。こうやってピアノの練習に取り組んでいけば、曲の完成度がかなり良くなります。

頭では理解していてもついついハイテンポで弾いてしまうものなので、目立つところに「ゆっくり」という張り紙を貼っておくのもお勧めです。

3:難易度の高い部分は簡略化して取り組む

ピアノ練習に取り組んでいると「どうしても指が追いつかない」など、自分にとって難易度の高い部分が見つかるはずです。そういう場合は、ひとまず強弱を無視して音を合わせる事だけを意識して練習してみたり、音を少なくしたりして練習していく事をお勧めします。まずは、曲全体のイメージを手と頭で理解する事を目指すのです。

ピアノの場合の典型的な簡略化の手段としては「片手だけで演奏する」というものがあります。これは、既に問題なく演奏できるような曲であっても、かなり効果があると言われています。

まずは、左手部分だけ練習してみて、続いて右手部分だけ練習する→左右について正しく弾く事が可能になったら、通常通り左右で演奏してみる。という感じです。こうしていけば、いつの間にか指がきちんと動くようになるはずです。まずは「難しい部分は片手ずつ練習してみる」という理解でも十全だと言われています。

コメントは受け付けていません。